こんなことができます


これまで直接おつき合いのなかったお客様と

千年を超えて伝え磨かれてきた京都の伝統産業の技と感性が、本来の工芸品のみならず最近はインテリアや建築分野をはじめ家電製品や環境関連あるいはハイテク分野など、これまであまり取り引きの無かった産業分野においても求められるようになってきました。また個人のお客様にも「ほんとうに良いもの、お気に入りのものを、愛着をもって長く使う」という生活スタイルが大きなステイタスとなる時代に入り、そこでも京都の技と感性を駆使した「お直し」(修理)や「お誂え」(別誂)のできるところを探しておいでです。そんな企業様そして個人のお客様のご要望に応えていきたいと思っております。

どこへ頼んだら良いのか分からなかった

しかしながらそういった新しいお客様にとっては「どこへ頼んだらいいのか分からない」というのが現実でした。特に京都は「いちげんさんお断り」のイメージも強く、とっつき難い印象があったり、さらには「確かに良い仕事をする分、手間賃が高いのでは」というご心配をお持ちだったりだったと思います。そんなお客様の不安を取り除いて、新たなお取り引きを積極的かつスムーズに進めるための仕組みとして「京都伝統産業協働バンク」を開設いたしました。お気軽にご利用ください。

試作から量産、お誂えからお直しまで

例えば企業様からの「開発中の自動車の内装に京漆器の世界を反映できないか」「新しい携帯電話機に京友禅の技と文化を取り入れたい」というようなご相談やご注文に応じていくのはもちろん、生活に身近な工芸分野ゆえに個人のお客様からの依頼にもお応えいたします。「祖母から伝わってきた人形が傷んでしまった」「とても気に入って使っているお椀の縁が欠けてしまった」などの「お直し」、そして自分仕様のオリジナルを注文する「お誂え」。従来は紹介がないとなかなか頼めなかったような内容もお気軽にご相談いただけるのが「京都伝統産業協働バンク」の特長のひとつです。

多彩な工房をご紹介

「京都伝統産業協働バンク」のサイトには、参加している各工房を紹介するページがございます。各職人が長年にわたり培ってきた技術やものづくりに対する思いを綴っており、ぜひ一度ご覧ください。 →詳しく見る

ご相談やお見積もりは無料です

「こんなことができるか」「こういうものを作ってほしいのだが」「よそに問い合わせたら『できない』と断られたんだけど」などなど、どんな場合もまずはご相談ください。経験豊富なスタッフがアドバイスさせていただきますので、どうぞご遠慮なくお気軽にお問い合せくださいませ。


事例のご紹介

お誂え

ご結婚のお祝い品

ご依頼主様より、7月7日に結婚式を挙げる友人カップルに贈るプレゼントを七宝焼きで作って欲しいとのご相談を受けました。新郎新婦が、七夕の日に出会われたことから、彦星と織姫をモチーフにペアの時計をとなり、ご依頼主様と予算、デザイン、図案について、何回も打ち合わせを重ねてご納得のいくデザインにしました。結婚式の前日に出来上がりご依頼主様にお届けしたところ、大変お喜びいただきました。

マイバック

ご依頼主様より、ご自身で使う楽譜入れ用布袋を作ってほしいとのご相談をうけました。ご予算とデザイン(色、柄など)にご希望があり、それらを実現するために、西陣織でネクタイなどの製作で余った端切れ生地から、ご希望のデザインに合ったものを収集することに苦心しました。ご依頼主様から、「イメージ通りです。ありがとうございます」とお喜びいただきました。

お直し

雛人形

ご依頼主様が、祖父母様から受け継がれたお雛様です。最近では珍しい木箱に収納された大きなお雛様です。古い味を残しつつ修理して欲しいとのご依頼でした。あえて部分的に手を加え、髪の結い直し、裳袴(もばかま)の取付け、衣の埃の除去を行いました。古い雛人形の場合は、この事例のように髪が抜けてしまうケースが多いのですが、髪を結い直すことで印象はずいぶん華やいだものに蘇ります。年末にお納めしたところ、『早速飾ろうと思います』とお喜びの声をいただきました。

蒔絵文箱

ご依頼主様が、戦時中の通学時代にご使用されていた蒔絵入りの文箱です。当時ご学友から「綺麗な文箱ね!見せてと言ってもらった」思い出の品とのこと。思い出が蘇るように、当時の状態に修復して欲しいとのご依頼でした。漆が剥離して紙の下地が露出し蒔絵部分も完全に艶を失っていました。再度漆を塗り、蒔絵も完全に再生いたしました。お納めしたときに、こどもの頃のことを思い描かれてご覧いただいているご様子でした。

掛け軸

ご依頼主様にとって、非常に思い入れのある掛け軸とのことです。本紙に多数の折れ、油染みがありました。表具も色褪せて繊維の傷みがありました。本紙を洗浄した後、折れ伏せ(折れ箇所の裏から紙を重ねる)を施して折れを伸ばした後、元の印象に近い色味で表装し直しました。折れを伸ばすと繊維の切れ目にスジが残りますが、ご依頼主様と相談して補彩など一切せずせず、味として残しました。(油染みも同様)ご依頼主様の思いを大切にして取り組んだところ、大変お喜びいただきました。

蒔絵重箱

ご依頼主様が、ご家族でお正月を祝うためにおせち料理を用意されていた思い入れの四段重ねの重箱です。一番下の段の一片が剥離してしまっているのと、所々漆と蒔絵が欠けていました。剥離片を接合した後、漆と蒔絵の補修を部分的に行いました。遠目ではほとんど分からないくらいに仕上げました。ご依頼主様から、「しばらく使っていませんでしたが、今度のお正月に使います」とお喜びいただきました。

欄間額

長年の使用による汚れと中央に破れがありました。洗浄後、裏から折れ伏せ(折れ箇所の裏から紙を重ねる)を施して再度額装しました。絵の雰囲気から、洗浄はあえて軽目にとどめました。それでも舟の水面の水色が鮮やかになり(写真では分かりにくいですが)ご依頼主様にお喜びいただあきました。掛け軸や額など品物に応じて、ご依頼主様と相談しながら修理方法を決めています。

桐箪笥

長年使用されていたので、変色やひび割れが目立っていました。修復のポイントは、ご依頼主様の「娘のお嫁入り道具にしたい」思いを大切にし、木地表面を薄く鉋(かんな)で削った後、丹念に砥の粉を塗って桐箪笥本来の色を蘇らせました。また、金具や目立たない割れやガタつきも綺麗に修復しました。その結果写真のように美しく変身しました。ご依頼主様から、娘が「嫁ぎ先に持っていきたい。母の思い出とともに大切に使いたい」と話しているとお喜びの声をいただきました。